壊れたビデオデッキ

00/1/5-00/9/3

ビデオデッキが壊れました。それも大晦日に・・・。おかげでミレニアム記念のお正月ですが、ビデオ無しで過ごす羽目になりました。今は13800円でGコード予約可能なHi-Fiビデオデッキが買えますが、しゃくなので直してみる事にしました。

壊れたビデオデッキですが、当時National(Panasonicの国内向けブランド)のマックロードという愛称で売られていたNV−F1です。これは1988年のソウルオリンピックに向けNationalが販促をしていたものです。確か中村雅俊がCMに出ていました。厚さが8cmということで、薄型なのが売りでした。価格は10万円を切って99800円でした(高い・・・)。当時はHi-Fiのビデオデッキが珍しく、定価での比較では安かったです。

症状は電源を入れてもまったく反応がないというものでした。ちょうど引っ越しで運送したので、振動が悪かったのかもしれません。しかし、まったく反応がないということは、電子機器の心臓部である電源の故障の疑いが濃いです。この手の古い製品の故障は大体において電解コンデンサーの容量抜けによるものが多いので、とりあえず電源ユニット内部の電解コンをすべて新品にしてみることにしました。

電解コンの容量抜け

低発熱の抵抗やICはソリッドな半導体や単なる石であるので、寿命は半永久的といえます。電解コンデンサーは内容物が化学変化するので、使わなくても年を経ることにより容量が少なくなります。また、使用する温度が10℃高くなると寿命が1/2になるなどと言われています。

しかし、今回発見したのは、その迷信じみた「10度で半減」というのがまったく嘘であったことです。下記表を見てください。

容量 耐圧 耐温度 メーカー 測定容量 備考
120uF 250V 85℃ 松下 123uF  
680uF 22V 105℃ 松下 測定レンジ外  
330uF 6.3V 105℃ 松下 330uF  
330uF 12V 105℃ 松下 306uF 電解液もれ
10uF 16V 85℃ 松下 8.24uF  
10uF 50V 105℃ 松下 10.6uF  
47uF 16V 105℃ 松下 42.6uF  
1uF 100V 105℃ 松下 0.924uF  
47uF 50V 105℃ 松下 45.9uF  
10uF 50V 105℃ 松下 10.59uF  
10uF 16V 105℃ 松下 8.49uF 電解液もれ

液漏れの物や耐温度85℃のものに1割程度の容量減がありますが、まだまだ現役で使えうる減少率であることがわかります。

 

この前の修理

実は以前に一度バラしたことがあります。5-6年前に友人がAVテクニカルという修理専門店にアルバイトしていたころ、そこの社長直々に指導を受けて消耗部品を交換しました。ビデオデッキには一般にローディングメカ周りの部品に関して「キット」などと称し、1パッケージにした交換部品が用意されています(\13800の物にも言えるかどうかわかりませんが)その当時は特に不具合はなかったのですが、\2000なりを払って交換してみた覚えがあります。おそらくテープがワカメになりがちだとか、ローディング出来ない等とする不具合の時に使用するのでしょう。

ローディング

当時聴いた言葉に、「ハーフローディング」などという言葉がありました。このNV−F1は停止時にテープをヘッドにローディングしませんが、再生を早めるために常に半分ほどテープをローディングしておく技術のことを言います。今は常にハーフローディングやフルローディングが常識なようで、この言葉は聞かなくなりました。おかげで再生ボタンを押すとすぐに画面が出てきます。当時のローディングしない機械はかなり時間がかかりました。弊害としては早送りや巻き戻しの時にもヘッドの一部がテープに触れているためにテープやヘッドが痛みやすい事があります。ということは、当然テープ自身の素材も改良されているんだよね、きっと・・・

今回のバラし

バラしていて気がつきましたが、使うネジのほとんどの寸法が違うのです。こんな複雑な仕組みで生産性が上がっていたのか不安です。ほぼ確実にわからなくなると思い、はずした個所の特徴をメモし、メモにネジをセロテープで貼り付けていきました。main基板を持ち上げると下から電源ユニットが取り出せました。main基板の下にはいくつものdaughter boardが見えました。これでは99800円になるなぁと言う感じです。構成的には各部分に専門のICを使用しているようですが、現在のように一つのICでアナログを混在したりすることが出来なかったのか、あるいはIC自体の開発が個々の機能にこだわっていたのか、とにかく専用ICの数が膨大です。中には4066などとアナログスイッチが使われていたり・・・ある意味この部品点数で動いていることは奇跡というか芸術ですね。

電源非連動型サービスコンセント

ビデオデッキはその思想的に今使っているテレビに付加させて使用することが目的のようで、既存のアンテナコンセントや100Vコンセントは増設しないように設計されています。その目的で電源のケーブルのそばにテレビ用のサービスコンセントが取り付けられています。これはビデオデッキの電源に関係なく常時通電しているのですが、当時BSチューナーを個別に持っていた関係でどうしてもビデオデッキと連動させたかったことがありました。そこで、SSR(ソリッド・ステート・リレー)を用いて、このコンセントを連動型に改造したことがあります。恐らくDC5V系統が存在すると踏んで、秋葉原でAC100V2AのSSRを購入しました。ゼロクロス品は高価であったため、通常品にしました。回路図無しに5Vラインを探し出すのは苦労しましたが、運良く見つけられ、そこから5Vを供給して無事連動型にすることが出来ました。今回はすでにBSチューナーをフリーマーケットで売り払ってしまったため、元の非連動型に戻すことにします。

ところが・・・

前に、SONYのスイッチング電源内蔵の50W+50Wアンプを直したときのように、今回も電源部の電解コンデンサだけで事が足りると思っていたのですが、どうも違っていました。コンデンサをすべて取り替えて電源を投入してみるものの、スイッチング電源から、「きゅっ」という音がするのみで何も変化がありません。 おそらく、スイッチングが行われていないようです。整流回路からは、交流の最大値を平滑した時に出てくる140Vの電位がかかっていますが、その先が発振していないようです。ここでは5pinのトランジスタのような部品(”D1206”と表記があるが、2SD1206では無い気がする。)で自己発振回路を組んでありました。このトランジスタがいかれたのでしょうか? そう言えば、以前近くに雷が落ちて、自作のCMOS−ICを使用した機器が壊れたことがありました。この時に少なからずダメージを受けていたのでしょうか。よって、ビデオデッキはしばらく放置されることとなりました。同型の部品を秋葉原に見に行ってもありませんし、半ば諦めたのですが・・・

世の中には同じ事を考えている人が結構居るもので、ハードオフというハードウェアを専門に売り買いしている所があります。この中に入ってみても、おそらく10人中9人は意味がわからないと思います。このどこが店なのか理解できないと思います。つまりは、ジャンク品などを多く扱っていて、動きもしないだろうビデオデッキが所狭しと並べられているのです。価格はおおむね1000円程度。傷がついていたり、カバーが外れかかっていたり、こんなものが売れるのだろうかと思われて当然ですが、私はNV−F1をハードオフで見つけ、1000円で買いました。目的は? もちろん部品取りです。

復活

かくして、そのジャンク品を買ってきた私は早速バラしにかかったのでした。スイッチング電源を取り出しました。 やはり、年月が経っているようで、カーボン状の埃がたくさんついています。エアースプレーできれいにして、濡れ雑巾で拭き、今までのデッキに移植して組み立てました。 コンセントを入れて見ます。何も異常はありません。 蛍光表示管は0:00で点滅をはじめました。これにより、ほぼ9ヶ月かかった修理は片がついたのでした。 めでたしめでたし。

後記

このビデオデッキのタイマーは1987年から2002年間でのカレンダーが付いています。ということは、メーカーとしては15年を製品寿命として設計していることがわかりますね。後2年半、2003年1/1になっても使えているでしょうか? 乞うご期待。

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