ThinkPad 530CSアップグレード

01/09に「バックライトの修理編」を追加しました。

CPUの載せ換え

HDDの載せ換え

メモリの増設

BIOSのUPDATE

バックライトが消えた(修理編)

アップグレードサービスのお店

IBM ThinkPad530CSをお持ちの方で、不幸にもCPUがDX2-50MHzのタイプだった方・・・。いままで、どの解説を見ても、アップグレードのやり方まで詳しく解説しているところはありませんでした。そこで、私がハードディスクとCPUの乗せ換えとメモリの増設に関して詳述しましょう。

私はこの改造を行い、次のようなスペックになりました。

  改造前 改造後
CPU 486DX2-50MHz 486DX5-133MHz
HDD 360MB 2.1GB
メモリ 20MB 36MB

今回メモリの増設の記事を追加したのですが、良く考えるとCPUを早くするよりもスワップを減らした方が体感速度ははるかにUPします。お金と手間をかける順序は最初にメモリ、HDD、最後にCPUにした方が良いかもしれませんね。実際メモリが20MBから36MBになっただけで、i.e.4.01が再読み込みなしに起動して早くなりました。それから、ThinkPad530CSは元々4MBのメモリをつんでいます。DIMMで追加できる市販品は最大で16MBですので、何も改造しない時の最大メモリ容量は20MBです。

さて、ThinkPadの分解の方法については、こちらの方のページをご覧ください。詳しく説明されています。注意する点は、分解する時に決して無理をしないことです。無理があるということは、どこかに取っていないネジがあったり、固定するための引っ掛かりがある場合です。部品が壊れてしまってからではどうしようもないのです。この辺りはセンスの問題でもあり、要らないラジカセなどを分解して十分経験を積むことでしょうか(^_^)

必要な物

特別に必要なものは次の通りです。

CPU AMD製Am5x86(TM)-P75。秋葉原の若松通商で手に入る。97年に15k円で入手。
HDD DTNA-22160 2.1GB。IBMの物がやはり相性は良いでしょう。97年に31k円で入手。もっと新しいものはあるでしょうが、2GB以上を認識するかどうかはわかりません。
メモリ ENL-32M(G) 32MB。98NOTE用のDIMM。98/11に秋葉原ソフマップ0号店で5.8k円にて購入。中古です。最後の"G"はあってもなくてもよいです。
半田ごて コテ先の細いもの。15-30W位の小型のもの
半田吸い取り線 通常「ウイック」と呼ばれている、編み線のことです。
ヒートガン 日曜大工のもので十分。ドライヤーの高熱版です。この前のフリーマーケットで1000円で売ってしまいました。
アルミ板 厚み0.5mm位でOK。20cm角あれば良い。
フラックス 直に塗るタイプ
フラックス除去剤 フラックスを溶かすもの。ジエチルエタンなどの有機溶剤。スプレータイプが使いやすい。

CPUの乗せ換え

まず、CPUの乗っている、mainボード一枚の状態まで分解します。どの工程でも言えることですが、静電気だけは気を付けてください。
cpuの養生次にアルミ版を用意します。アルミ版は、熱が他の部品に伝わらないように使用します。このアルミ版は、はさみで加工して、ちょうどCPUだけが顔出すように基板に覆いかぶせます。私は2枚用意し、角に四角い切りかけを入れ、合わせることにより正方形が出来るようにしました。さらにチップ部品などが熱にさらされないように、細かい加工を施しました。CPUの周りをよく見てください。近いチップ部品が有ります。これらを隠すようにしてください。

次にヒートガンでCPUを熱します。これは、経験が必要ですので要らない基板を利用して練習してください。練習の時に、どのくらいの時間当てたか記憶できればなお良いです。外す時は、ピンセットで持ち上げます。先の細い物でないとだめです。角からうまくすくって下さい。この時半田が完全に溶けていないとパターンを剥がしてしまうので注意。練習の時に感を養って下さい。本当にCPUを外す時に注意することは、

1番ピンの場所を確認しておくこと。

です。これを怠ると、CPUを付ける時に、

どこが1番ピンなのか、わからなくなってしまう!

事になります(-_-;) まあ、530の場合は四角くマーキングしてあるので大丈夫ですが・・・

CPUが外れましたら、次に新しいCPUを載せるための下準備をします。パターンにフラックスを塗布し、半田吸い取り線を当てて、その上から半田ごてを当て、余計な半田をすべて吸い取ります。パターン上に凸凹が見えなくなるまで吸って下さい。そうでないと、新しいCPUを載せた時に、わずかな隙間が出来てしまいます。うまく行かない時は、半田吸い取り線に一度半田を付けたり、パターンの半田を盛り直してあげると良いでしょう。この時にあまりしつこく当て続けると最悪の場合パターンが剥がれてしまうことが有りますので注意して下さい。IBMの基板の接着剤は良質と思われ、そのようなことは有りませんでしたが、以前PC-9801ES2のCPUを386SX-16から486SX-50に載せ換えた時は、すぐにパターンが剥離してしまい、大変な目に合いました。

CPUを取ると、基板はフラックスでべとべと状態のはずです。これをどのように処理するか。普通のシンナーではだめで、「フラックス洗浄剤」と書かれた専用品を使います。プリント基板を扱っている店ならば置いて有ります。きれいに洗い流した後、いよいよCPUを取り付けます。

絶対に間違えてはいけない

事は、CPUの1番ピンです。ICには必ず1番ピンがどこにあるのか印が付いています。切り欠きであったり、点であったりしますので必ず確認して下さい。今回の基板には三角の白いマークが付いていました。それが1番ピンの場所です。CPUを間違いなく配置しましたら、正確に位置決めします。虫眼鏡があると便利ですね。そして、角にあるピンに半田ごてを当て、わずかに載っている半田で仮止めします。3個所止めればOKでしょう。そして、半田付けです。半田の量は少量で大丈夫です。この時、隣のパターンとブリッジ(つながってしまうこと)することが多いでしょう。これをフラックスを塗布しながら半田ごてを滑らせてゆくと、何と

コテにつられて余分な半田は吸い取られ

ブリッジは解消するのです。これは、一つの技術ですから、不要な基板で

練習あるのみ!

です。コツは、「半田は少なめに。フラックスを切らさずに!」です。どうしても解消しない時は、吸い取り線を使ってすべて吸い取ります。

載せた時めでたくブリッジを解消した人は、フラックス洗浄剤で洗浄します。その後、虫眼鏡で本当にブリッジが無いかどうか観察します。また、ここでブリッジを見逃してしまうと、絶対に動作しないばかりか、最悪の場合CPUを破壊します。そして、一度半田付けしたCPUはショップに持っていっても交換してもらえません。よーく点検しましょう。

実は、CPU交換だけでは、25MHzの3倍速の75MHzにしかなりません。

クロックを33MHzにして、4倍速にしなければ133MHz動作にはならないのです。これは、DOS/Vマガジン96年11/15号に載っていたことをそのままお伝えします。
CPUのそばに"9054A"と印刷されたICがあると思います。これがクロックジェネレーターで、25MHzを作り出しています。この1番ピンをコテで暖め、タイミングよく細い棒状の物でパターンから浮かせます。そして、一番近いチップコンデンサ(茶色)の9054Aに近い側のピンと浮かせた1番ピンを配線をします。配線材はラッピングワイヤーなどを購入すると良いでしょう。

ワイアの半田付けは良くイモハンダ(くっついているようにみえて付いていない)になりがちです。ワイアにあらかじめ半田を盛っておく(呼びはんだ)事をすると確実です。ここも経験ですね。先の練習用のマザーボードのいろいろなところを最低10個所くらいはジャンパして、鍛練を積んでください。ちゃんとくっつくと相当な力で引っ張っても取れないことが実感できるはずです。実際に付けたら、少々強めに引っ張って取れないことを確認してください。これで33MHzになります。この9054AというICは、この1番ピン以外にも16番ピンと10番ピンで周波数の変更ができます。今回の配線は、C97のところがGNDになっており、これで1番ピン入力は”0”となります。

AV9154A-04 50MHz* 40MHz* 33.3MHz 25MHz 20MHz 16MHz 12MHz 8MHz
FS0(1pin) 0 1 0 1 0 1 0 1
FS1(16pin) 0 0 1 1 0 0 1 1
FS2(10pin) 0 0 0 0 1 1 1 1

*:5.0Vでのみ動作

ちなみに9054Aはどこのメーカの製品なのでしょうか? ICSのAV9154A-04がピン互換だと思うのでそのデータシートを参考にしました。(マークから同じメーカのような気も・・・情報求。)

530CSには三つ以上のバージョンがあります。

2605 CPU メモリ 特徴
-1FC 486DX2-50MHz 4+8MB 初代−>今回はこれを対象に記事を書いています。
-7FV 486DX4-100MHz 4+8MB 7FVとDFVのマザーは共通らしい
-DFV Am5x86(TM)-P75 4+8MB 5x86のライトバックを使用するために、ジャンパの嵐

DOS/Vマガジンでは、486-DX2 50MHzのバージョンのマザーボードの場合(1FC)、N.C.(何もつながっていない)であると言っていますが、記事の中ではちゃんと浮かすように指示していて、さらにこの配線だと若干ビデオ速度が向上するといっていますので、なんだか矛盾してますね。筆者はパターンを追うのが面倒だったので、素直に浮かせました。尚、9054AというIC内部では1番ピンはプルアップされているそうなので、何もつながなければ入力が"1"となり、25MHzの周波数が選択されます。また、40MHzを選択して、3倍クロックにして120MHz動作の方が速いレポートもあるそうですが、こちらはMwaveがバグるという副作用付きだそうです。ライトバックに関しては、比較できるベンチマークがなかったようで、あまり変わらないとも書いています。今回の改造はライトバックスルーの状態の改造です。

CPUを4倍速にするには、画像を見て欲しいのですが、丸印の所に"R83"という何も部品が載っていないランドが有ります。実際に83とは書いてないのですが、82の隣と思って下さい。このランドを先ほどのラッピングワイヤーでショートします。CPUの端子の11番ピンをVccに繋げることになります。(この手のCPUは、1番ピンから左回りに番号が上ります)左の写真は、"9054"です。1番ピンと、その先に放射状にワイヤーが伸びているのですが・・・解らないと思います。(接写レンズがほしい・・)
点検が終わりましたら、組み立てます。分解した時と同じネジを使うようにしてください。漫画のように、

組み立ておわったらネジが余ってしまった!!

などということが無い様に・・・

ハードディスクの取り替え

実は、ハードディスクの穴の位置を間違えて購入してしまいました。DTNA-22160ですと、穴が合いません。DMCA-21440(1.4GB)が入手できる方は、そちらの方が良いかもしれません。穴の位置はDTNA-22160が長い方の辺の穴の間隔が広いタイプ、DMCA-21440や元々入っている360MBは、長い方の辺の穴の間隔が狭いタイプです。多分ディスクの半径を広く確保したいために変更されたのでしょうね。3TOPのHPでは、狭いタイプのHDDの在庫をうたっていますので(98/11/10現在)、ネジでがっちり固定したい人はそちらがお勧めです。それから、高さは12.7mmの物しか入りませんのでご注意。(9.5mmの方はIDEのインターフェースの高さが変わってしまうような気が・・・これも情報求)

また、自信の無い方は、本家IBMが乗せ換えサービスをやっています。お金があって暇の無い人向けです。

HDD完成写真今回は、穴を間違えて購入してしまったので、最初は交換をしようと思ったのですが、ここは踏ん張り所。これを逆にネタにしてしまえということで、無理矢理設置してみました。ここでは、粘着テープを用意します。車用品店に行くと、強力な熱に強いタイプを売っています。530CSの場合、ボディが12.7mmぎりぎりに作ってあるので、粘着テープを使用して固定すればグラつくこともなく実用になります。
粘着テープをHDDの裏に貼り付けます。この時、チップ部品に当たらない場所を選んで下さい。このような気遣いが改造後も長い間トラブルの無い状態にしてくれます。
基板上も、今のテープに呼応するように貼り付けます。画像ではチップ部品を避けるようにしているのが解ると思います。HDDは、取り付ける時に、若干浮かせながらスライドします。そうでないと、

チップ部品を削ってしまう・・・

ことになります ~_~
尚、心配な方は、HDDの上に、これも車用品店に売っている粘着テープ付きスポンジシートを若干貼り付ければ、逆Gがかかってもグラグラしません。それから、IDEの設定はmasterにしないと認識されませんので注意。

メモリの増設

実は、冒頭でも書きましたとおり、こちらの効果はすごくありました。なぜ最初にやらなかったか今となっては不思議です。まあ、当時は5.8K円では到底買えませんでしたから・・・。筆者の実感では、95はメモリが32MBを超えるとスワップの発生が少なくなり、実に快適になります。i.e.4.01の再立ち上げなどは、おそらくDiskキャッシュが効くのでしょう、

たった2秒です!

それと、最新のノートパソコンはいつまでたってもめちゃめちゃ高いですね。それなりに速いし軽いのですが、筆者の使い方ではこのスペックで十分だと感じています。(しかし、ソフマップの中古品で530CSを見かけないのはなぜだろう??)

本題に入りますが、これは、DOS/Vマガジンの96年11/15日号(この記事を書いていて、もう役に立たないのではないかとちょっと不安になっている)に書いてある事をそのまま書きます。niftyserve(現在の@nifty)のFPCUMフォーラムのSkyrmeさんが考案されたものだそうです(私はここまで解析するガッツはないです)。

メルコのENL-32MまたはENL-32MG(最近HPを見たら、型番はENL-32MKと書いてありますが、多分動くでしょう?)を用意して、PD1に乗っているチップ抵抗(良く見ると0と書いてある。これは0オーム、つまりショート用のチップのこと)を外し、PD3と書いてあるランドに載せ換えます。(写真参照)もし、小さくてどこかに飛んでしまったら(と言うより、初心者の方は熱と機械的ストレスを加えすぎてチップ部品が分解してしまうと思います)、先ほどのワイアを短く切って半田付けでショートすればOKです。同様にPD2をはずしてPD4に載せます。こちらも0オームチップです。外し方のコツは、練習用マザーで学んでください。両方のランドにはんだコテを交互に当てて(この時多少はんだを盛ってあげる)、両方暖まったらずらして取ります。この場合は大きいワット数の半田ごてでやると一瞬でできますね。私のは30Wで、部品のチップも極小タイプでしたから、半田を多めに盛って両方一辺に暖めました。

メモリの増設をすると、32+4=36MBとなり、最新のノートパソコンに負けないスペックになります!! (でも最近は標準で64Mくらい積んでいるんだよね・・)

BIOSのUPDATE

大事なことにBIOSのUPDATEがあります。これを行わないと、CPUの対応やメモリの増設などに対して不都合が生じるかもしれません(試してません)。これは、本家に行くとdownloadできます。

バックライトが消えた(修理編)

 出張中の飛行機の中でエディタをガチャガチャやっていたところ、突然画面が「パッ」と一瞬明るくなりました。そのときは原因がよくわからずにいましたが、そのうちだんだんとLCDのバックライトが点灯しないことが多くなってきました。パネルを触ると回復したりします。最終的にはまったく画面が見えなくなり、開けて修理することにしました。原因は、出張のときにかばんの中にいろいろと詰め込んだために、LCDのふたが押され、内部のフレキシブル基板の折れ曲がっている部分が断線しているようなのです。この部分をカットして、すべてをつなぎなおそうとも思ったのですが、勇気が要ります。このフレキシブル基板は、両面構造になっていて、シールドの効果も持ち合わせていそうな気がしたからです。そこで、発想の転換、折れている部分をひろげ、正反対の部分を折ることで、新しい折り曲げ部分が出来るではないですか。表裏が変換できれば、どこで折っても同じですね。

TP_REPAIR1.GIF - 804BYTES

わかりやすいような図にしました。AまたはBのどちらを折っても、結果は変わりません。そして、今まで折れていた部分の表面をやすりで削って銅箔を出し、細いラッピングワイヤをはんだ付けして作業終了しました。今までどおりチャンと画面が見られます。同時に、LCDのヒンジの付け根のところが緩んでいたのでねじを締めなおしました。この部分はどの530でも緩んでしまうようですね。ねじロックか何かをつけたほうが良いかもしれません。

アップグレードサービスをするお店

一応リストアップしました。実は行ったことはないです。今回の改造を扱っていそうなところを選びました。

MAXUS(マクサス)−>古参。技術力は高そう。

JC−WORLD−>22:40でさえも店に人が居る(シャッターは降りてると思います)。熱心というか、ベンチャーを感じさせます。

最新情報:JC-WORLDさんは、新百合ヶ丘に引っ越したあと、その後店も閉めてしまったようです。HPもリンク切れですが、復活を念じて掲載を続けます(ドメインはJPNICに残っている)。探し物があれば探してくれるそうです。電話:044-820-1003

***最後に***

この記事に関して、筆者は何も保証しません。個人の責任において作業されて下さい。もし失敗された場合、改造品の修理は原則効きません。最悪ボードごと交換となるでしょう。

参考文献:

DOS/Vマガジン 96年6/1号,11/15号

ICS AV9154A データシート

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