◆Panasonicのe-cam(KX-FE830)使用感 (99/12 作成 00/8 掲載)

先日久しぶりに秋葉原に行ったときの話である。前から気になっていたPanasonicのe-cam(定価19,800円実売18,800円)を買ってしまった。使用感をレポートしようと思う。

○対抗馬との比較

このe-camはDDIポケット電話のH゛あるいはαDATA32ロゴ入りの電話に対応している。対抗馬はSHARPの携帯端末、CommunicationPALである(定価38,800円実売27,800円)。こちらも同様にインターネットのブラウザを搭載し、e-mailの送受信が出来、基本的に携帯電話と接続して通信が出来るものだ。さらに、別売り接続ケーブルでDDIPocket、NTT及びアステル系のPHSに対しても接続可能である。パンフレットにはcdma-Oneは接続不可と書いてあるのだが、秋葉では「接続できます」というのぼりを見たような見なかったような・・・

画面は320*240の1/4VGAでe-camと同じなのだが、メモリは4MB(ユーザー領域1.5MB)で4倍である。ケーブルを変えるだけで接続電話機が異なっても使える点が優秀だ。将来キャリアを変えても使い続けられる。PHSは64kでも使用できるようだ。しかし、サーバーが混んでいればあまり意味がない。電池消耗的は双方とも80時間の連続表示をうたっているのでほぼ同等であると予想する。連続通信では携帯が16時間でPHSが10時間である。双方とも単三(AA)バッテリ2本である。光通信インターフェイスを持っているが、こちらはIrDAといっているので、ノートパソコンと接続できるかもしれない。

ケースの作りはさすがにCommunicationPALの方が良い。値段の差であろう。こちらはペンでタッチ入力が出来るようになっているが、筆者はあまり好きではない。なぜならば、ペンをいちいち出して叩いているよりは、何らかのポインティングデバイスがあったほうがはるかに操作性は良いと思うからである。ペンを落としてしまったらどうするのか。そんな心配をしながら使いたくない。しかし、手書きメモがメールに添付できるというメリットを付け加えておこう。

e-camの方は開けてわかるのだが、PanasonicのPHSを作っている九州松下(略して九松)製である。この九松は業界の方なら泣く子も黙るとして有名だと思う。とにかく部品調達に関して値切るらしい。ここに納入する電子商社マンの多くは泣きを見るという。そのせいか、値段が1万円も開いている割には不足は感じない。さすがである。この良い点はキータッチを採用している点である。CommunicationPALはタッチがゴム状であって、お世辞にも速く入力出来そうにない。「ポチポチ・・」という感覚だろうか。しかし、実際入力してみると、めちゃめちゃ肩がこるのである。キーとキーの間隔が、もうこれ以上ないというくらいに狭いのである。未だ馴れていないせいかもしれない。ブラインドタッチをマスターしていると数字がずれて配置されている点や、セミコロンのキー(右手の小指受け)がないのが許せないが、キー配列に関しては2-3時間で馴れることが出来た。今気づいたのだが、SHARPのひらがなフォントは10年前に女子学生の間で流行した準丸文字である。この製品は20-30代の女性にターゲットを置いているようだ。パソコンには不慣れだけど、携帯電話を持っている人がそうだ。パソコンに不慣れということで、キータッチをゴムにしたのかもしれない。だとしたら戦略がある。

e-camの特徴の一つにカメラ機能がある。大体プリクラの白黒版と思うと良い。CommunicationPALの液晶は白黒16階調だが、e-camは8階調である。しかし、8階調でも顔がはっきりとわかる。アドレス帳に本人の顔をつけておくことが出来る。また、顔のコレクションをする人がいるかどうか不明だが、SmartMediaのフラッシュカードスロットが用意されていて、画像ファイルを転送して保存できるようになっている。おそらくパソコンから読み取れるのではないか。SmartMediaのデジカメを持っている人は試してもらいたい。

最近、コンテンツが重要であるという風潮であるが、この2機種ともに独自のコンテンツを直接見られるようになっている。しかし、この点に関してはSHARPと九松の差が出た感がある。SHARPはメビウスを売っているからかもしれないが、シャープスペースタウンなるものの中でこの小さな画面にしっかり収まる総合コンテンツを持っている。e-camはPa!メディアという写真付の自己主張コンテンツしかない。中高生に受けるかもしれないが、後述する接続の操作性が普及の妨げとなるだろう。加えて私の年代にはとても魅力的には見えない。

e-cam HTML3.2準拠 SSL(ビット数不明なるも、128bitはないでしょう)/実験によりCookie対応確認

CommunicationPAL HTML3.2準拠 フレーム/SSL(40bit)/Cookie対応

◆使用感

使ってみると、1/4VGAといっても、そこそこ見られることができるが、やはりパソコンでXGAを見慣れていると、幻滅感も否めない。やはりその場しのぎというか、モバイルらしく情報を俊敏に取り出すことはできなかった。旅先で何時間も列車を待つときなどには役に立つかもしれないが。

その意味からもこれはe-mail端末として使うのが現実的だ。実際に携帯電話やPHSからmailしたことでわかるのは、そのキー入力があまりに面倒であるということだ。単なるキーボード端末としてなら納得が行く。

しかし実際にmailを書いてみると、普通の文章であるにもかかわらず、かなり入力速度は遅かった。パソコンの場合は優秀とは言われないもののかなり高度な変換を行う能力があるが、この場合は辞書の学習もせずに単に単語変換を繰り返すだけである。これはパソコンに馴れた者から言うとかなりつらい。

接続は裏にケーブルが格納されており、使い勝手は良い。電車の中などでメールを打つのは良いのだが、その後転送するときの使い勝手が良くない。つまり、接続した状態でひざの上において使うのは至難の技である。机などの上に置かなければ使いづらいのが特徴である。というより、この手の本体と別体型のモバイル機器に共通して言える。いっそのこと本体を丸ごと飲み込んでしまうような斬新なデザインのほうが多少かさばっても使い良いのではないか。

電源は乾電池単3型2本である。この電池の消耗が速い。使用していると、「えっ もう?」という感じである。もう少し省電力にしてほしい。

また、最初の接続のときにDIONへのOnLineサインアップをさせられるのだが(筆者はすでにDIONに入会していたのだが、どの場合も新規に加入をしなければ使えない仕組みになっている)、OnLine登録の画面で指定どおり漢字やカタカナで入力をするのに、計20分程度もかかってしまった。筆者はパソコンに比較的馴れているのだが、これがはじめて買った人となると果たして入力をすべて終えることが出来るのだろうか。この20分の間電話はつながったままであるし、初めての入力にあたりカタカナの入力方法や「コーポ」などの横棒の入力法を調べながら行うのは大変である。まして、初めて入力端末を買った人はこれはもうパニックになること確実である。

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